1000万円あるなら一括ではなく分割を

 一括で1000万円投資した後に株価がどんどん下がり出し大暴落が来たら、普通の人は心理的に耐えられないと思います。もちろん大暴落が来ても力のある企業の株価は必ずまた回復しますし、慌てることはありません。私たちプロならば慣れていますし慌てないのですが、一般の人、しかも投資初心者にとっての不安は大きいと思います。

 ただし、もし大暴落のさなかに1000万円の資金があるならば、私は「一括でいきましょうか」と言うかもしれません。とは言え、今が「大暴落のさなか」なのかは、なかなかわかりませんよね。やはり分散させるのが確実だと思います。これを「時間分散」と言います。

50歳から成功する長期投資 65歳でプラス3000万円』(澤上龍著、幻冬舎)

【著者】
澤上 龍(さわかみ・りょう)
1975年千葉県生まれ。2000年5月にさわかみ投信株式会社に入社後、ファンドマネージャー、取締役などを経て2012年に離職。2010年に株式会社ソーシャルキャピタル・プロダクションを創業、2012年に関連会社の経営再建を実行し、2013年にさわかみ投信株式会社に復職、同年1月に代表取締役社長に就任。現在は、「長期投資とは未来づくりに参加すること」を信念に、その概念を世の中に根付かせるべく全国を奔走中。起業や経営の支援の傍らコラム執筆や講演活動も行う。

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 また、私は近い将来に大暴落が来ると予想しています。もし「これは明らかに大暴落だ」という時が来たら、1000万円まではいかなくても、「スポット買い」と言って、ある程度まとめて買うのが賢い投資だと思います。実際、さわかみファンドのファンド仲間には、大暴落になるのを見計らってスポット買いをする人もたくさんいます。

 整理しますと、1000万円あったら株価が明らかに下がっている大暴落の時期を除き、一般的には購入価格を平準化できる分割をおすすめします。少し慣れてきたら、分割とスポット買いの組み合わせもイメージしていきましょう。