米ヒューレット・パッカード(HP)に関する2つのニュースが入ってきた。1つは、同社が米国時間18日に予定していた2~4月期の決算発表について、予定を早め17日午前の株式市場が開かれる前に行うと発表したこと。
もう1つは、昨年辞任したマーク・ハード氏の後任として最高経営責任者(CEO)兼社長に就任したレオ・アポテカー氏が、同社幹部に電子メールで文書を送り、コスト削減を徹底するよう指示したことだ。
突然の決算発表の変更と、コスト削減策が明らかになり、市場関係者には懸念が広がっていると海外メディアが報じている。
「我々には余裕がない、すべての雇用を最小限にする」
この文書が書かれたのは5月4日。パソコン部門担当のトッド・ブラッドリー上級副社長や、キャシー・レスジャック最高財務責任者(CFO)など10人に送ったもので、アポテカーCEOは同社の5~7月期の業績について厳しい状況だと伝えた。
米ブルームバーグによると、同氏は「今の雇用計画では費用を負担しきれない」とし、「費用は1セント単位で目配りし、すべての雇用を最小限にする」よう指示している。
また「我々には利益のない売り上げや、自由裁量の費用が認められる余裕は全くない」とも述べており、同社事業への圧力が高まっているのがその理由だと説明している。
前任者のコスト削減策を批判していたが・・
アポテカー氏は昨年11月にCEOに就任した後、HPの経営改革を進めていた。前任のハード氏が進めてきたコスト削減策を批判し、研究開発費や人件費を増やすと公言していたのだ。
しかし、同社の業績はその後減速したと米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。2月に発表した2010年11月~2011年1月の決算では、売上高が323億ドルで、前年同期と比べ4%増加したものの、事前予想の328億~330億ドルを下回った。