「休むこと=なまけること」だと思い込んで罪悪感を抱き、かつては「疲労大国」と呼ばれた日本。その悪癖は現代でも依然として残っている。私たちは、なぜいつも疲れているのか。そんな疑問に、20年にわたり「休み方」を研究してきた「休養学」の専門家が、2回に分けて答える。前編は、休養の取り方の誤解を解く。
(*)本稿は『休養学: あなたを疲れから救う』(片野秀樹著、東洋経済新報社)の一部を抜粋・再編集したものです。
>>後編:【休養学】そもそも疲労とは何か?なめてはいけない病気のサイン、回復のために必要な栄養素とは
「いつも体が重い」
「寝ても寝てもだるく、疲れがとれない」
「会社に行くだけでヘトヘトになる」
「休みの日に何をしていいかわからない。結局、一日じゅうゴロゴロしている」
「週末に寝だめをすると、休み明けはかえってぐったりしてしまう」
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
毎日、仕事や家事で忙しく、ゆっくり休みたいのに休めない。有給休暇はあるけれど、同僚は誰もとらないし、上司がイヤな顔をするので申請しづらい。疲れた体を引きずって出勤するものの、生あくびばかり出て仕事に集中できない。だから能率が落ちて、ますます帰りが遅くなる……。
こんな人は、おそらく日本中に大勢いるのではないでしょうか。
「疲れたら休む」という当たり前のことができないなんて、考えてみればおかしな話です。そもそも日本人の問題は……、おっと、その前に自己紹介をしておきましょう。