将棋の羽生善治九段はチェスでも強い

 しかし、日本にも強いチェスプレーヤーはいる。日本での最高クラスといえば南條遼介氏や小島慎也氏がグランドマスターに次ぐ強さであるインターナショナルマスターの称号を獲得しており、日本のチェス界を牽引している。

 将棋界にも強いチェスプレーヤーは多い。例えば羽生善治九段もその一人。羽生九段は2004年にFIDEマスターを獲得し、過去にはグランドマスターに勝利したこともあるほどの腕前だ。他にも青嶋未来六段がFIDEマスターを持ち、2019年、2022年の全日本チェス選手権で優勝している。

将棋の羽生善治九段(日本将棋連盟会長)はチェスのFIDEマスターでもある(写真:つのだよしお/アフロ)

現在の世界チャンピオンは中国人

 では、世界で最も強いチェスプレーヤーはどのようにして決めるのだろう。FIDEはトッププレーヤーランキングを公式ホームページで公開しているが、それとは別に世界チャンピオンを決める戦いがある。それが世界チェス選手権だ。

 世界チェス選手権はFIDEが主催する大会で、現チャンピオンと挑戦者が14試合を戦い抜き、その年のチャンピオンを決める。

 現在の王者は中国の丁立人氏で、2023年にカザフスタンで開催された世界チェス選手権の勝者決定戦でロシアのヤン・ニポムニシ氏を破って中国人初の世界チャンピオンの座に輝いている。