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(譚 璐美:作家)

 時事ドットコム(2024年2月8日付)によると、カナダのトロント大学の研究機関「シチズンラボ」は7日、日本を含む約30カ国で地元メディアを装った中国の偽情報サイトがあり、中国を称賛する情報や米国を非難するフェイクニュースを発信しているとする報告書を公表した。

運営する中国企業は「偽サイトを次々と立ち上げる会社」?

 同報告書は40ページに及び、欧州、アジア、中南米など世界中のニュースサイトを精査した結果、少なくとも123の中国の偽情報サイトを特定した。偽情報サイトは現地メディアを装い、それぞれの国の地元メディアの記事やニュースリリースなどを無断転載するほか、中国の国営メディアが配布した宣伝用資料などを紛れ込ませている。また、これら偽情報の発信元が、中国・深圳市に籍を置くPR会社「ハイマイ」であることも突き止めた。

「シチズンラボ」によれば、偽情報サイトが最初に開設されたのは2020年春。日本などをターゲットに9つの偽サイトが確認され、【fujiyama-times.com】もそのひとつ。次いで韓国、ヨーロッパ、中南米へと拡大した。

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 偽情報サイトの国別内訳は、韓国(17)、日本(15)、ロシア(15)、イギリス(11)、フランス(10)、ブラジル(7)、トルコ(6)、イタリア(6)、スペイン(5)、メキシコ(3)、ルーマニア、ポーランド、オランダ、ドイツ、アルゼンチンに各(2)、その他、アメリカ、スウェーデン、ポルトガル、ノルウェー、ルクセンブルグ、アイルランド、フィンランド、エクアドル、デンマーク、チェコ、コロンビア、チリ、スイス、ベルギー、オーストリアに各(1)となっている。