筆者は友人の中国人に「元寇(中国語では「元日戦争」)を中国人はどう見ているの?」と尋ねてみました。すると、友人の反応は、あまりにも意外なものでした。「元寇って何?」と逆に聞き返してきたのです。
戸惑いを覚えつつ「元朝が日本に侵攻した時の戦争だ」と説明しても、「本当にそんなことがあったの?」と真顔で言い返されました。その友人は、「日清戦争や日中戦争があったことはもちろん知っているけれど、中国が鎌倉時代の日本へ攻め込んだなんて一度も聞いたことがない」とのことでした。
義務教育では一切教えず
友人の思わぬ反応に筆者は戸惑い、すぐさま他の中国人の知人たちにも、元寇について尋ねてみました。結果から言えば全滅でした。元寇について知っている中国人は、少なくとも筆者の周りには誰一人としていませんでした。ある友人は両親に「元寇を知っているか」と尋ねてみてくれましたが、年配の両親も知らなかったそうです。
友人曰く、元朝ことモンゴル帝国がヨーロッパや東南アジアを征服したという事実は、確かに学校の授業で習ったそうです。しかし、「日本にまで攻め込んだという事実はこれまでまったく習ったことがない」「義務教育ではまず教えられていない」とのことでした。