ウクライナ侵攻後の2022年7月31日、ロシア海軍の日にサンクトペテルブルクで軍事パレードに参加したプーチン大統領(写真:ロイター/アフロ)

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2023年9月、「誰かと妥協や対話をしたくても、嘘つきとは不可能だ」と述べた。

 この「誰か」とはロシアのウラジーミル・プーチン大統領を指す。

 プーチン大統領は果たしてどのような嘘をついてきたのか、改めてその「嘘」とその狙いを分析する。

 ロシアのウクライナ侵攻についてロシアの嘘には、政戦略的な嘘、作戦戦術的な嘘、言い逃れの嘘、兵器能力の嘘などの5つが存在する。

 軍事に関する嘘は、戦争をすれば必ず暴露される。

 なぜなら、戦っていればいずれその事象や結果が明らかになってくるからだ。戦わない場合でも事実が暴露されれば嘘は判明する。

 ロシアの嘘には必ず狙いがあり、その狙いを広め、あるいは押し付けようとする。これは、まさしく情報戦(認知戦)である。

 ロシアのそれぞれの嘘について解説するが、最近撃墜されたロシア輸送機にウクライナ兵捕虜が搭乗していた、していなかったということについても分析を加えたい。