アドバイスを求められたときの切り抜け方
中野:アドバイスはしない方がいいと思います。アドバイスを求められたときの切り抜け方の1つは、「今あなたは困っていて私に相談したくなったんだね。どうして?」と答えるやり方です。さらに、「なんで相談したくなったのか聞かせて」と言うと、こちらがアドバイスのリスクを被らずにすみます。
また、相手は自分から考えを話し始めますからとても楽です。さらに、こういう話の進め方をすると、男の人は女の人から好かれるでしょう。
女の人は話を聞いてくれる男の人を好ましく思う傾向があります。「この人は私のことを分かってくれる」と満足を覚えるんですね。実際は、分かっているわけではなくて、ただ話を聞いているだけであっても、不用意にアドバイスをしまくるよりずっといい。
──「どちらかといえば、というかむしろ明らかに、自分はかなり気難しい部類に属する」「相手に合わせるためのやる気を出すことが不可能なのである」と書かれています。ご自身のどういったところに気難しさをお感じになりますか。
中野:気難しさは常に感じています。家から1歩出るのですら大変。実は人間がそんなに好きなわけではないし、仕事に行くのも闘いです。対社会向けのペルソナをかぶってから家を出るんです。ペルソナをかぶるまではいつも少し苦労します。
──ペルソナをかぶる方法はあるんですか?
中野:「もう行かなきゃ」と自分に圧力をかけるだけです。出なければならない事情を作り、強制的に自分を外に出す。
──そのペルソナのかぶり方を知らない人もたくさんいるんでしょうね。
中野:いると思います。たくさんの引きこもりの問題があり、現代は家から出なくてもだんだん生活できるようになってきましたが、時代を遡ると、もともと日本人は積極的に外と交わろうとする民族ではないのかもしれないとも思います。