(英フィナンシャル・タイムズ紙 2023年12月12日付)

イスラエルの空爆で廃墟となった自宅に集まった人々(12月19日ガザ南部で、写真:ロイター/アフロ)

 イスラエルとハマスは不倶戴天の敵だ。だが、いくつかの問題については意見を同じくする。

 イスラエル政府もハマスもイスラエル・パレスチナ問題に対する「2国家解決」にほとんど関心がない。

 自分たちの目の前でガザ地区が荒廃していくにもかかわらず、どちらもガザでの戦闘をやめたくない。

 それでも、いずれ戦闘は終わる。

 その翌日から、世界は差し迫った疑問と向き合うことになる。誰がガザを復興させ、誰が統治し、どのように物資を供給するかという問題だ。

ガザの復興と統治を誰が担うのか?

 米国のバイデン政権でさえ、イスラエルが再びガザを占領してはならないと主張している。

 だが、イスラエルと国連の関係は本質的に崩壊している。

 また、ガザに対するイスラエルの攻撃で100人以上の職員が死亡したことを考えると、国連は当然、ガザで担っている責務を継続することに慎重になるだろう。

 より良い代替策を欠くために、米国はイスラエル占領下にあるヨルダン川西岸の一部を名目上支配しているパレスチナ自治政府(PA)を呼び戻し、ガザの統治に当たらせる計画を策定している。

 だが、PAは信用の置けない弱く腐敗した組織と広く見なされている(これもイスラエルとハマスの意見が一致する点だ)。

 資金について言えば、欧州連合(EU)の高官が欧州はガザ復興の費用を払わないと断言するのを聞いたことがある(ウクライナが必要とする資金はすでに気が遠くなるような額だ)。

 米国議会はあらゆる形の対外援助に背を向けているように見える。