このシーンをつくるためには実在する商店街を借り、大量のエキストラを動員しなくてはならない。金があるから出来る。

 4話には乃木の丸菱商事での同僚で誤送金事件の犯人である山本巧(迫田孝也)が大宮駅近くの雑踏を公安に尾行されながら歩くという設定のシーンがあったが、これも同じ。金を掛けることによってリアリティが生まれている。

主演級俳優を続々と起用

 金があると主演級の俳優を何人も起用できる。主演級を出演させると、助演であろうが、主演級のギャラを支払わなくてはならない。それが出来ない場合、出演者の紹介テロップに「友情出演」「特別出演」と明記されるのが慣例。『VIVANT』の場合はそれがないから、助演している主演級には主演に近いギャラが支払われていることになる。

 通常のドラマの場合、主演のギャラは1話当たり300万円までというのが相場。ただし、このドラマの制作費は特別なので、堺の場合はそれを大きく超えていると見られる。主演級の助演もそうだ。

番組公式ホームページより

 主演級の助演は国際テロ組織テントのリーダーで憂助の父親であるノゴーン・ベキ役の役所広司(67)、その息子でテント幹部のノコルに扮している二宮和也(40)、別班の黒須駿役の松坂桃李(34)、警視庁サイバー犯罪対策課・東条翔太役の濱田岳(35)、在バルカ日本大使館特命全権大使・西岡英子役の檀れい(52)。ほかに阿部と二階堂もいる。

 主演級の助演に1人平均300万円を支払ったとすると、単純計算で1話当たり約2100万円になる。通常のドラマではとても出せない。