(写真:アマゾンHPより)

 米アマゾン・ドット・コムはこのほど、レジ精算時に手のひら認証で支払いを済ませられるシステムを、米国内500店舗以上の傘下食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」全店に導入すると明らかにした

Amazon One、導入店舗・施設数は400カ所以上

 同システムはすでに全米約200店のホールフーズ・マーケットや、直営コンビニエンスストア「Amazon Go」、直営食品スーパー「Amazon Fresh」の一部に導入されている。アマゾンはシステムの外販も行っており、米国における導入店舗・施設数は合計で400カ所以上に達した。これまで、本人認証や決済、施設への入場といった用途で300万回以上利用された。ホールフーズ・マーケットでもこうしたマイルストーンの達成に向けて、2023年内の全店導入を目指すという。

 このシステムは、同社が20年に開発し、同年から各店舗に導入し始めた「Amazon One(アマゾン・ワン)」だ。

 顧客はまず、クレジットカードまたはデビットカード、アマゾンアカウント、携帯番号を使ってオンラインで事前登録する。これにかかる時間は約1分。次に、店舗に行き端末に手のひらをかざすと登録が終わる。アマゾンによれば、これに要する時間は数秒。事前登録しなくても、直接店舗で登録することもできる。

 こうして登録を終えると、後はレジで1秒程度手をかざすだけで決済が完了する。顧客のアマゾンアカウントとAmazon One IDをひも付ければ、有料プログラム「Prime(プライム)」の割引特典も受けられる。

システムを外販、スターバックスなど試験運用中

 前述した通り、アマゾンはこのシステムを外販しており、これまでに米外食チェーンのパネラ・ブレッドやスターバックスの一部店舗、空港内店舗やスタジアム、コンサート会場などで導入されている。

 23年現在、米国の9つの主要空港と13のスポーツアリーナの売店で導入されていると米ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。アマゾンの広報担当者によると、現在ミズーリ州セントルイス地域のパネラ・ブレッドの2店舗と、カリフォルニア州とワシントン州のスターバックス5店舗で試験運用中だという。その用途は、決済のほか、店舗会員プログラムの本人認証や酒類販売時の年齢確認など。アマゾンによれば、オフィスビルなどの入退時にも利用できる。将来的には、ジムや病院にも導入される可能性があるとウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。