司法取引で罪を認めたハンター・バイデン氏(2022年4月撮影、写真:AP/アフロ)

「息子は悪いことはしていない」発言が裏目

 過去5年にわたり、ジョー・バイデン米大統領を悩ましてきた「放蕩息子」の犯罪容疑で米連邦検察局が結論を下した。

「父親」は、喜び、「(有罪を認めた)息子を非常に誇りに思う」とコメント。

 これを聞いた米国民の多くは鼻白んでいる。

 バイデン氏は以前から、「(息子の)ハンターは何も悪いことはしていない」と言い続けてきた。そのハンター氏が罪を認めたのである。

Joe Biden's long-standing support for Hunter Biden on display following plea deal | CNN Politics

 ハンター氏は当初、銃の不正購入については検察当局に否定していた。

 しかし、2021年4月に上梓した回顧録『Beautiful Things』の中で「銃を買った時点で自分は極度のアルコール依存者だった」と告白してしまった。検察当局はこれを見逃さなかった。

(もうほとぼりが冷めたと見たのか、出版元に「新事実」を書くよう唆されたのか。いずれにしても自分で墓穴を掘ってしまった)

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「親の七光りでブタ箱にはぶち込まれなかったのだろう。黒人格闘技俳優のウェズリー・スナイプスは税金未払いで3年半、刑務所に送られている」

 筆者の隣に住む共和党員の元会社重役の白人男性(67)はこう吐き捨てるように言っている。

 おそらく米一般市民の声を代表していると見ていい。

 米メディアによれば、バイデン氏は今も薬物依存症の治療を受けているカリフォルニア州在住の「二男」のことが心配で毎日、電話をしていたという。

 6月21日付のロサンゼルス・タイムズは、ハンター氏がハリウッドのセレブ専用の秘密セックス・クラブの会員だったことをスクープした。

Snctm founder Damon Lawner banned after naming Hunter Biden as former member - Los Angeles Times

 交通事故で先妻ネイリアさん(30)と娘ナオミちゃん(1)を失い、生き残った2人の息子のうち、将来を嘱望されていた長男ボー氏は8年前に病死。

 残った二男ハンター氏(53)はまさに「飲む、打つ、買う」の「放蕩息子」だった。

(一応、ジョージタウン大学を経て、イエール法科大学院で法務博士号を取得はしている)