4月からプライム帯(19時~23時)の連続ドラマ枠が増える。テレビ朝日が日曜22時台に新たな枠を設ける(制作は大阪・朝日放送)からで、週15本から16本となる。

 内訳はNHK1(1年間放送する大河ドラマは除く、以下同)、日本テレビ3、テレビ朝日4、TBS3、テレビ東京1、フジテレビ4である。

 もっと増えるのが午後11時以降に始まる深夜ドラマ。1月期は15本しかなかったが、4月からは21本になる。日テレ5、テレ朝4、TBS1、テレ東9、フジ2だ。2002年4月期は深夜ドラマが1本だったのだから、随分と様変わりした。

 ヒットドラマが多いわけでもないのに、どうして各局がドラマを増やすのか? それは、民放の場合、自社の有料配信動画サービスのコンテンツとして2次利用する腹積もりだからだ。

地上波で流すだけでは儲からないが…

 ドラマは放送するだけではほとんど儲からない。それは昔から。ある民放テレビマンはこう解説する。

「制作費は各局とも極秘ですが、プライム帯の1時間作品なら3000万円台がほとんど。最近は制作費削減で2000万円台後半の場合もある。出演陣のギャラからスタジオ費、編集費、美術費まで込みなので、ギリギリです」(民放テレビマン)

 それが2010年代半ば以降は放送以外で儲けることが可能になった。スマホや高速インターネット回線の普及を背景に、企業努力次第で有料配信動画サービスの会員を増やせるようになったからだ。