猫が近づいてきたので撫でていると、どこかで犬がけたたましく吠えました。近所迷惑になったらいけないと、その場所を離れると、ビーグル犬がすまなそうな顔をして後をついてきます。
「うちの隣の犬が、過剰反応をしてしまってすみませんねぇ」と言っているのかなと思い、「犬が吠えたら、土地の人じゃない者はその場を離れるほうがいいよね」と話している途中なのに、彼はわたしの靴の上に座ってきます。
どうして? わざわざ、人の靴の上に座らなくても…。足をそっと移動させてもそのままお尻がくっついてきます。あまりにもかわいいので、こちらがしゃがみこんで、背中を撫でてやりました。
トラムに乗って旧市街まで戻ると、ヴィスワ川に近い住宅地には、爽やかな風が吹いていました。
この家の人に、クラクフ旧市街の猫について聞いてみました。「昔は中央市場広場でも猫を見かけたわ。でも観光客が多く訪れるようになってから、猫は姿を現さなくなった。猫は、知らない人が好きではないから。少なくともクラクフ旧市街の猫たちはそうね」。そうなのか……。観光客でにぎわう前のクラクフに来たかったなと思いました。
※クラクフへの行き方
成田空港からヘルシンキ経由で、1回の乗り継ぎで行けます。所要時間は、およそ16時間30分。ヨーロッパの主要都市をはじめ、イギリス、イタリア、ドイツ、フランスの地方都市など、多くの空港と路線が結ばれています。
クラクフ-ワルシャワ間はおよそ300km。特急電車で約2時間半。飛行機で約50分。バスが最も経済的ですが、約5時間かかります。