(山田 珠世:中国・上海在住コラムニスト)
先月(2023年2月)初旬、3年半ぶりに日本に帰省した。筆者は普段、中国上海市に住んでおり、2020年から始まったコロナ禍以降、長い間帰省が叶わなかったのだ。
現在も上海から実家のある福岡への直行便は復航していない上、日本と中国への入国にはいずれもPCR検査が必要であり、いまだ気軽に行き来できる状態にはなっていない。それでも今回あえて帰国したのは、「有効期限が切れてまもなく3年になる自動車免許証を更新する」ためである。
中国での新型コロナ以降のこの3年間について、一言で言い表すことはできない。ここ1年ほどは2日に一度PCR検査を受けるのが日課だった。昨年(2022年)には2カ月間、ロックダウンを経験し、その後も濃厚接触者の二次接触者になっただけで家族全員が外出ができなくなるといった制限を受けた。そして、同年12月には突然のゼロコロナ政策撤廃。事態は180度変わり、最終的には家族全員が新型コロナに感染した。
だから、今回日本に降り立つまでは、信じられない気持ちでいっぱいだった。そんなさまざまな想いを抱えて日本に帰国した筆者が日本滞在で感じたことを書いてみたい。