今年の大河は徳川家康(写真:アフロ)

(若月 澪子:フリーライター)

 面白かった昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が終わってしまった。

 私的に『鎌倉殿』の助演男優賞は、最後まで主人公を裏切ろうとし続けた「三浦義村」の山本耕史。助演女優賞は、権力にしがみつくオバサン「藤原兼子」を演じたシルビア・グラブ。欲望をダダ洩れさせる、底意地の悪い人を演じられる役者さんは大好きだ。

 今年の大河は王道の戦国時代で、主役は家康。演じるのは元「嵐」の松本潤。ドラマ『花男(ハナダン・花より男子)』の「F4(エフフォー)」俳優の、小栗旬からの松潤。

 どうしよう、今年の大河見ようか。まずは1回目を見て判断しよう・・・。ということで、大河ドラマを『徳川家康』(1983年)から、たまに脱落しながらも見続けて早40年。「自称大河ドラマウォッチャー」の中年主婦が、『どうする家康』を、勝手にレビューさせていただく。

※第1話の内容が書かれています。これから見る方はご注意ください。

家康と言えば「お腹ピーピー芸人」

 冒頭、大河ドラマがコケる原因の一つと言われる子役の投入は今回なし。もうすぐ40歳になろうという松潤が、少年時代の家康を演じている。

 少年家康(松潤)、一人でお人形遊びに熱中している。ロールプレイングゲームかフィギュアにハマる、陰キャな若殿様といったところか。しかも、気弱で緊張するとすぐにお腹が痛くなる体質らしく、武芸の時間になると、「ちょっと厠へ行ってくる」と逃げ腰に。

 早くも武田信玄との「三方ヶ原の戦い」でウ〇コ漏らした逸話の伏線が敷かれているようだ。

 それにしても松潤の顔、こんなに丸かったっけ? 2005年の『花より男子』の時は「俺様キャラ」で、顔も心も完全に尖がっていたはず。

 そもそも、鳴かないホトトギスが鳴くのを爺さんになるまで待ち続けたタヌキ親父の家康と、10代でスターダムにのし上がったものの、今や旬の「嵐」が過ぎ去った松潤はどうもリンクしない。

 顔を丸くして、ひ弱キャラでいこうとしているみたいだけれど、目だけは相変わらずギラギラと輝いている。

 視聴率が緩やかに下降している大河の延命対策として、「とりあえず中高年以上にも若年層にも顔が知られている嵐を投入しておこう」という全方位キャスティングなんだろうが、これは本当に松潤で大丈夫か? 「どうする大河」「どうするNHK」。