ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席。写真は2022年2月撮影のもの(写真:ロイター/アフロ)

 2023年、明けましておめでとうございます。今週で169回目になるこの連載、これまで私の新著のタイトル通り、「ふしぎな中国」について毎週、レポートしてきました。今年も引き続き、「ふしぎな中国」の最前線を伝えて参りますので、ご愛読のほどよろしくお願いいたします。

傷を舐め合う会談

 2022年は、ロシアがウクライナに侵攻し、東西冷戦終結以降の国際秩序が破壊された年として記憶された。続く2023年は、民主国家と強権国家のデカップリングが決定的になる年として、記憶されることになるかもしれない。

 そんなことを予感させる出来事が、昨年暮れの12月30日に起こった。中国の習近平主席と、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の42回目となる首脳会談が、オンラインで開かれたのだ。

 CCTV(中国中央広播電視総台)の映像を見ると、両首脳とも顔色がよろしくない。察するに、習主席は中国国内の爆発的なコロナ蔓延に、プーチン大統領は泥沼化していく戦況に、相当な危機感を抱いているものと思われる。言ってみれば、「互いの傷を舐め合う会談」となった。

2022年12月30日、オンライン会談に臨んだ習近平主席とプーチン大統領(写真:新華社/アフロ)