ロシアの砲撃により火災が発生したウクライナの東部ドネツク州バフムート市の建物(資料写真、2022年12月26日、写真:REX/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 北朝鮮がロシアに兵器を秘密供与していることを米国政府が正式に発表した。

 北朝鮮の兵器類はロシアの民間軍事会社「ワグネルグループ」に売却され、ウクライナでの戦闘で使われているという。

 同グループはロシアの悪名高い傭兵集団で、ウクライナでの戦闘ではロシアの正規軍よりも苛酷な戦いを展開してきたという。同グループの創設者はロシアのオリガルヒ(新興財閥)の一員で、プーチン大統領にもきわめて近い人物だとされる。

 ロシアのウクライナ侵略では、すでにイランが攻撃用の無人機を供与したことが確実となったが、この北朝鮮の兵器支援でロシア、イラン、北朝鮮という「悪の枢軸」が浮かび上がる形となった。

ロシアの受刑者を戦闘要員に

 12月22日、米国政府の国家安全保障担当、ジョン・カービー報道官は「北朝鮮はこの11月、ロシアの傭兵企業のワグネルグループに多数の地対地攻撃用のロケットとミサイルを送り、同グループから代金を受け取った」と発表した。