(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)
12月中旬、筆者は扁桃腺に軽い痛みが続いていたことから、上海市内の自宅で抗原検査キットを使ってみたところ、新型コロナウイルス感染症の陽性反応を示す2本線がくっきりと表示されました。
全く想定していなかったわけではありませんが、筆者にとってこれは意外な結果でした。というのも、それまでの1週間は全くと言っていいほど外出していなかったからです。
外出を控えていたのに感染
12月7日、中国上海市はそれまで交通機関や施設を利用する際に義務付けていたPCR検査の陰性証明表示義務を廃止し、中国政府が「世界に冠たる大きな成果」と自賛していたゼロコロナ政策を大きく緩和しました。しかしこの日以降、市内各地で新規感染者が急増し始めました。
12月第3週から筆者の職場では、コロナ対策として社員に在宅勤務を義務付けていました。筆者も自宅で仕事をこなしつつ、感染リスクを避けるよう不要な外出は極力控えていました。ところが、感染してしまったのです。
在宅勤務になってから外出したのは、近場のコンビニとファーストフード店に1回ずつ立ち寄っただけでした。毎日地下鉄に乗る普段の勤務形態ならいざ知らず、これほど外出を控えていたにもかかわらず感染してしまったという事実に、筆者は驚きを禁じ得ませんでした。