10日の東京市場は、円高・ユーロ安水準での取引。ドル円は朝方の取引で80.15レベルまで軟化し、その後も80円台前半で取引されている。ユーロ相場は前日NY市場ではやや持ち直したが、東京市場では上値が重かった。ユーロドルは1.4375レベルから1.4300割れへ、ユーロ円は115.45レベルから115円割れ水準へと下落し戻りは鈍い。日経平均は前日終値近辺で上下動と不安定な動きとなっている。
前日の海外市場で米S&Pがギリシャを格下げ、デフォルトの可能性を示唆したことが引き続きユーロにとっての不安材料となっている。また、原油先物が一時2%安の100ドル台前半まで反落したこともリスク回避色を広げた。CMEが原油先物やガソリン先物などの証拠金引き上げを発表したことが嫌気された。昨日は米大手証券の原油高見通しやミシシッピ川の増水がガソリン生産に影響するなどで原油が買われていた。市場では原油安がインフレ圧力軽減につながりECBの警戒姿勢を緩和させるとの見方もあった模様。このところ、原油市況が乱高下しており、ドル相場を中心に為替市場へも影響を広げる傾向がある。
◆米政府はあらためて人民元高を要求
米中戦略対話がワシントンで行なわれている。米国は中国の人権問題と人民元について懸念を表明している。ガイトナー米財務長官は、中国経済は人民元上昇を容認する十分な強さがある、中国はより人民元を上昇させなければインフレ加速リスク、中国は徐々に人民元上昇に動いている、と述べた。一方、中国の王副首相は、インフレが中国にとって最も緊急の課題、中国指導者は成長モデル転換について合意必要、国内の調整は困難を極めている、と述べた。オバマ米大統領はホワイトハウスで王中国副首相と会談、人権問題で懸念を表明した。また、経済については、中国に均衡の取れた成長を支える政策を求める、としている。東京昼過ぎに発表された4月の中国貿易統計では輸出額が過去最高を記録、貿易黒字は114.2億ドルと発表された。市場予想は32億ドルの黒字、前回3月は1.4億ドルの黒字だった。輸出が前年比29.9%増、輸入が前年比21.8%増だった。引き続き輸出主導の経済構造が示された形だった。人民元基準レートは1ドル=6.4950元と2005年の切り上げ以来の最高値をつけているが、まだ不十分な動きのようだ。
◆オセアニアも材料多い
この日はオセアニア関連の材料も多かった。早朝にはIMFが、NZの緩和的な金融政策のスタンスは適切、NZドルは最大20%過大評価されている可能性、と述べNZドルが急落した。NZドル/ドルは0.7940レベルから0.7905レベルまで、NZドル円は63.75近辺から63.45レベルまで下落した。豪ドルも連れ安となる場面があったが、3月の豪貿易黒字が事前予想の3倍強の17.4億豪ドルと発表されると下げを消す動きとなった。その後発表された中国貿易統計が強かったことも豪ドルを支援している。豪州予算の発表を控えてスワン豪財務相は首都キャンベラで、豪州は他の先進国に先んじて財政黒字復帰へ、予算案は雇用を重視、とも述べている。豪ドル円は86円台前半から後半、豪ドル/ドルは1.07台後半での振幅。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)