(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
共和党による逆転の多数制覇が確定した米国連邦議会下院では、少数派となる下院民主党の筆頭である院内総務にハキーム・ジェフリーズ氏が選ばれることが決まった。
この人事に対して共和党側は、ジェフリーズ議員がかつてドナルド・トランプ前大統領の2016年の当選について「違法」「インチキ」などと何度も否定していた記録を公開した。
今回の中間選挙で民主党側は、トランプ前大統領の2020年大統領選挙を不当だとする主張に同調する共和党候補らを「選挙否定者」と呼び、「民主主義の敵」だとも断じてきた。
だが民主党側にも同様に選挙結果を否定する議員が存在していた。その議員が同党の下院での最高責任者になることを、共和党側は1月の新議会で糾弾する構えを示したのだ。新議会での民主、共和両党の激しい衝突が早くも具体的な展望を見せ始めた。