(羽田 真代:在韓ビジネスライター)
2022年11月20日に、サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会が開幕した。中東初のワールドカップだ。開幕式では、韓国が誇るアイドル、BTS(防弾少年団)のジョングクが開幕式のステージに立って話題となった。
開幕の2日前、筆者はかつて日本で働いていた時の同僚とBTSについて話す機会があった。その同僚は営業職で、少し前まで沖縄支店で勤務していた。当時、営業車のラジオをかけると、米軍基地のラジオから、しょっちゅうBTSの曲が流れていたという。
「ダイナマイトを何度聞いたかわからない。米軍基地のラジオから流れているということは、本当に世界でBTSが流行っているんだと感じた」と同僚は語っていた。
確かに、「Dynamite(ダイナマイト)」のYouTube再生回数は1日(2020年8月22日)で1億回再生と世界記録を樹立した。公開から約7カ月後の2021年4月12日には10億回再生を記録。韓国アーティスト歴代最速記録を達成した。2022年6月17日には15億回再生も達成している。
日本におけるミュージックビデオの再生回数(2022年11月22日時点)の歴代1位は、米須玄師の「Lemon」で7億8033万回だ。彼の歌も一時期は毎日のように耳にしていたが、それでもBTSのダイナマイトの半分にも満たないというのだから、BTSがいかに世界で人気なのかがよくわかる。
ただし、BTSの再生回数については「音源総攻」と呼ばれる不正工作が指摘されている。総攻とは「総攻撃」の意味である。
ファンがアイドルの成績を上げるために、音源総攻、アルバム総攻、投票総攻といった活動を行うのだが、その中の音源総攻はYouTubeなどの再生回数を上げて推しの順位を上げる行為を指す。
実際、韓国メディア東亜日報は以下のように報じている。