イランに対する抗議活動は世界中に広がりつつある。写真はインドネシアの抗議デモ(写真:ロイター/アフロ)

(山中 俊之:著述家/芸術文化観光専門職大学教授)

 イランが想定外の暴風雨に襲われている。政府に対する抗議デモのことだ。

 先月テヘランで、ヘジャブの着用が不適切という理由で警察に連行された22歳のマフサ・アミニさんが逮捕後、急死するという事件が起きた。

 さらに、抗議デモに参加していた16歳のニカ・シャカラさんが、拘留施設で死亡していることが発見された。当初は、建物から転落したと報道されていたが、実際には警察の虐待や殺戮があったのではないかとの疑惑が持ち上がっている。

 これらのことは抗議デモに火をつけた。予想外の大規模抗議デモが起きている。

 警察によって若い女性が次々と死亡していることに、大きな怒りが国民の中に生まれている。

逮捕後、急死したマフサ・アミニさん(写真:ZUMA Press/アフロ)

 日本のメディアは、よくある中東での抗議デモの一つというくらいの扱いではないか。さほど大きな扱いではない。しかし、米ニューヨーク・タイムズなど世界のメディアの扱い方は大きい。1面で死亡した女性の写真入りで大きく扱っている。

 単にヘジャブの着用義務に対する反発に限らない広汎な反政府運動であり、イランや中東、さらに世界全体の不安定化につながる恐れがあるからだ。

 そもそも、抗議デモの発端になったイランにおけるヘジャブの着用義務とは、どんなものか。