(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

「北朝鮮に拉致された日本人被害者は生存しているという有力な情報が報道されたのに、日本の主要メディアはなぜ無視するのでしょうか」

 切迫した口調で語ったのは拉致問題の「家族会」代表の横田拓也氏だった。7月1日夕、「救う会:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」主催の「東京連続集会119」と題された集いである。

 目的はもちろん、壇上に掲げられたスローガンが「これ以上は待てない! 全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ!」と記されたように、北朝鮮に拉致されたままの横田めぐみさんら同胞を一日も早く帰国させることである。

驚くべきキム・グクソン氏の証言

 猛暑のなかでも50人ほどが集まったこの集会では「韓国新政権と拉致被害者救出」という題で、韓国政情に詳しい國學院大學客員教授・元産経新聞ソウル特派員の久保田るり子氏が講演した。その講演が始まる前の挨拶で、横田拓也代表が驚くべき情報を明らかにしたのだ。