(小林偉:放送作家・大学講師)
難役を演じるアイドル
“アイドル女優”なんていうと、軽んじる方も少なくないかもしれませんが・・・
例えば、浅野ゆう子、片平なぎさ、伊藤蘭、小泉今日子、深津絵里、中谷美紀、篠原涼子、仲間由紀恵などなど、今では大女優の風格さえ漂う、以上の皆さんも全員が、元アイドルです。この他にも、元おニャン子クラブの国生さゆりや、元AKB48の川栄李奈なども女優として第一線を張っています。
そもそも、公の場では常にファンの求める偶像を演じ続けている彼女たちは、女優の素養を生来持ち合わせているのかもしれませんね。
そんな“アイドル女優”たちが最近、ドラマの世界で存在感を発揮しているのです!
その一人が、ももいろクローバーZのリーダーである百田夏菜子。
彼女はNHKの朝ドラ『べっぴんさん』(2016-2017年)でドラマデビューを果たし、以降も散発的に演技を披露。先日も『ナンバMG5』(フジテレビ系)にメンバー全員で出演したりしていましたが、現在放送中の『僕の大好きな妻!』(フジテレビ系)で、遂に連続ドラマ初主演を果たしています。
しかも、その役どころは「発達障害を抱える新妻」。生粋の女優さんでも演じるのが難しいこの役を、アイドルである彼女ならではの明るさでカラッと表現していて、重苦しくなりがちな設定を救っている感さえあります。ある意味、キャスティングの妙味かもしれませんね。
また、『明日、私は誰かのカノジョ』(TBS系)で、アイドルらしからぬ役どころを演じているのが、元HKT48の指原莉乃がプロデュースしていることで知られる、=LOVEの齊藤なぎさ。
彼女演じる優愛は、地方から上京し、ホストクラブにハマってしまった女子で、貢ぐお金を稼ぐためデリヘル嬢をしているというもの。=LOVEのファンからすれば「勘弁してほしい」という役でしょうが、飄々としていながら、時にキレた演技を見せたりと、なかなかのもので、失礼ながら少々驚きました。ドラマファンの筆者としては、これからも様々な役に挑んでもらいたいと思った次第。
そんな中・・・さながら女優養成所のようになっているのが、乃木坂46です。