4月5日、法興寺跡で文化財庁長の説明を聞く、文在寅大統領夫妻

「仏心(ほとけごころ)を出す」という時の「仏心」とは、仏のように慈悲深い心を意味する。日本ではそう信じられていると思う。

 しかし、韓国では同じ「仏心」と書いて、本来の意味とは別の意味になることがある。

 仏教界の考え方を指す場合があるのだ。

 日本のように多様な宗派がある仏教界と異なり、韓国は大韓仏教「曹溪宗」が最大宗派で、その他の宗派は微々たる数に過ぎない。

 そこで、新聞やテレビなどのメディアで使われる「仏心」とは、韓国の仏教(主に曹溪宗)の意中なのである。

 そして現在、韓国の仏心は、韓国の文在寅大統領に対してお冠である。

 発端は、山登りをした大統領夫妻が映っている1枚の写真だった。

 その写真には、大統領夫妻が何かしらに腰かけており、その前で説明をしているふうの人が立っている。

 この写真のどこが問題かというと、大統領夫妻が腰かけている石台である。

 そこは法興寺跡で、彼らが座っているのは「蓮花文礎石」と呼ばれる韓国の文化財なのだ。