実は利上げ局面は「買い」
三宅:余剰資金があるのなら、安値局面に入ったと思ったところで、何回かに分けて買っていくというのが手です。足元でも、かなり安値と言える局面に入ってきているとは思います。余裕がない方は、時間をかけて待つしかないところです。
1980年代半ば以降、米国の利上げ局面は6回ありました。そうした場面では実は、景気も予想EPSも予想収益も基本的に強かったのです。利上げはそもそも景気過熱の抑制を背景にしていますから、金利は上がるけれども、実体面を原動力として株価は上昇したというのが過去のパターンです。一方、リセッション(景気後退)の局面ではやはり株価も下がります。
米国がリセッションへと落ち込んでいくかどうかについて、私が見極める指標の一つが長期金利です。今、10年国債の金利は概ね2%前後です。それに対し、長期の期待インフレ率はだいたい2.5%前後です。この金利水準を上回ってくると企業の調達コストが上がり、企業収益にとって重しがかかってくることになります。
米国の10年国債の金利が2.5%を超え、3%を大きく突破するようなところまで上がっていくとなれば、米国経済に黄信号や赤信号がともると言えます。逆に、2%台前半までであれば、成長率が落ちることはあったとしても、リセッションにはならないと見ています。投資家のみなさんは、株価と同時に米国の長期金利がどう動いているかというのも、注目して見るといいでしょう。