ただ当時中国で流通していたのはタミヤの正規品ではなく海賊版、つまりコピー商品が主だったようです。

 タミヤ製ミニ四駆のコピー商品を作っていた中国メーカーの中で最大手だったのは、「奧迪双鉆(AULDEY:アウディ)」という広東省の玩具メーカーです。AULDEYは1993年に設立され、94年に日本でミニ四駆の第2次ブームが起こると、足並みを揃えるかのように中国でミニ四駆(中国語:迷你四駆)のコピー商品を生産し始めます。そもそもこの会社はロゴマークからしてタミヤのロゴマークを強く意識しています(下の写真)。なおタミヤによると、タミヤとAULDEYの間の提携や取引などは一切ないとのことです。

AULDEYのロゴ

 話を戻しますと、当時日本で第2次ブームの火付け役となった「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」が中国でも放映されるとミニ四駆人気に火が付き、タミヤの正規品だけでなくAULDEYなどのコピー商品メーカーの商品も大いに売上げを伸ばすこととなりました。筆者の中国人の友人は当時を振り返り、「タミヤの正規品も流通していたが価格が高く、コピー商品とわかっていながらも、大半の子供はAULDEYのコピー商品を買わざるを得なかった。当時タミヤのミニ四駆を買えたのは金持ちだけだった。タミヤのミニ四駆を持っている子供は、ずいぶんうらやましがられたものだ」と話しています。

 なおこのAULDEYはその後も玩具メーカーとして成長を続け、傘下にアニメーション会社などを抱えるようになり、現在もアニメなどとのタイアップを積極的に展開しています。2008年には「中国国産初の魔法少女作品」とされる「巴啦啦小魔仙」という作品をリリースしていますが、キャラクターデザインを見て筆者は「プリキュアっぽいな」と思いました。

オールドファンが主体か

 では、現在の中国では、ミニ四駆人気はどうなのか。