9月13日、以下のニュースが報じられた。
■コロナ病院外死亡 8月最多250人 自宅等218人 警察庁
https://mainichi.jp/articles/20210913/k00/00m/040/176000c
記事によると、自宅や外出先、つまり医療機関以外で死亡した変死体のうち、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、8月ひと月で250人にのぼったという。
日本で新型コロナウイルスによる死者が出始めた昨年3月から今年8月までの18カ月間でみると、その累計は817人。今年8月の感染死者がいかに多かったかがわかる。
ところが、専門家からはこの数字自体に「少なすぎるのでは」との疑問の声が上がっている。
今月、『新版 焼かれる前に語れ―日本人の死因の不都合な事実』(WAVE出版)を上梓した、千葉大学と東京大学で法医学教授を兼務する岩瀬博太郎氏に話を伺った。
(聞き手:柳原三佳)
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——8月に発見された変死体における新型コロナウイルスの感染者数ですが、法医学の現場におられる岩瀬教授からご覧になって、いかがでしょうか?
岩瀬博太郎教授(以下、岩瀬) 今回報道されたのは、あくまでも警察が把握した数です。これ以外にも、検案に当たった医師が警察へ異状死届け出をしていないケースや、死後のPCR検査などをしないで終わっているケースも相当あると思われるので、実際の数はもっと多いのではないでしょうか。
——当たり前のことですが、死体は咳やくしゃみはしません。でも、感染者の場合、死亡した後も数日間は体内にウイルスが残っている場合があるそうですね?
岩瀬 はい。死体になっても、数日間はウイルスが残っている場合があります。