可能なら妊娠前にワクチンを接種しておいた方がよい

 東京都に4回目の緊急事態宣言が出て1週間、都内の平均新規感染者数は1000人を超え、冬の「第3波」以来の水準になっていると報じられています。

 それもそのはずです。「冬のインフルエンザ・シーズン」以来の「夏のインフルエンザ・シーズン」到来ですから、ある意味季節的に当たり前のことでもある。

 そうしたなか、妊娠しておられる若い女性、あるいは今年これから子供を設けようかと計画中のお母さん向けに、「妊娠出産の予定があるなら、ワクチンを打っておいた方が安全」とお伝えするのが、本稿の主題です。

 妊娠中に新型コロナウイルス感染症に罹ると、明確な重症化傾向が見られ、最悪の場合、母子ともに命を失うケースも見られます。

 お母さん方はもちろん、家族に出産予定のある女性がおられる方には必見の内容をまとめてみました。

妊婦は絶対コロナに罹らない方がよい

 新型コロナウイルス感染症と、それに対抗する「ワクチン」とが、妊婦や胎児に与える影響について情報が錯綜しているようです。最初に結論を3点に整理しておきましょう。

1 新型コロナウイルスへの感染によって胎児に異常が出たり、流産、死産のリスクが特に高くなる医療統計の解析結果は出ていません。

2 しかし少数ですが、妊娠後期に新型コロナウイルスに罹患して重症化し、死産、流産、お母さんが亡くなった「個別のケース」、また生まれた赤ちゃんが病気になる症例などは報告されています。

 妊婦さんは新型コロナウイルス感染症に極力罹らない方がよい――これは間違いありません。

3 妊婦さんがワクチンを接種したために、何らかの異常が出たという個別ケースが、ほとんどありません。

 コロナ罹患による症例と、ワクチン接種とが混同され、ネットメディアなどで混乱を発生している危険性があるように思われます。