さていよいよ「4回目の緊急事態宣言」のもと「無人オリンピック」など、後から振り返れば世にも奇妙にねじれた時代の歯車が回る2021年の夏本番となりました。
新型コロナウイルス感染症用のワクチンを打っておられますでしょうか?
社会問題化している品薄で、首相官邸のグラフなど、見かけ上1日あたりの接種数が激減するなど、どうしようもないことになっています。
システマティックな対応がなければ、乗り切れるはずの困難も乗り切れなくなってしまう懸念があります。
世界各国では、ワクチンの普及によって一通りのコロナ収束を見せたところも少なくありません・・・でした。
それらがまた「コロナ再燃」となっていたりもするのは、もっぱら未接種者への感染など、防疫対策が不徹底なところを、変異株が狙い撃ちにしている様子です。
幸い日本にはそういうことがありませんが、社会的、宗教的な分断によって、英国のバングラデシュ移民層のように、ある集団がごっそりワクチン低接種層といったところもないわけではありません。
様々な接種への壁もありながら、コロナワクチン、特にファイザーとモデルナの「mRNAワクチン」が圧倒的な成功を収めているのは、驚くべき事実です。
率直に申し上げて2020年の今頃、私はmRNAワクチンが実現するとは、思っていませんでした。
それは私たちだけのことではなく、アストラゼネカなど別の原理のワクチン(この場合は「ウイルスベクター・ワクチン」)開発に舵を切った企業は、そちらに勝算があると思って道を選んでいった。結果は「mRNAワクチンの一人勝ち状態」となっている。
今回は、やや気が早いですが、毎年10月10日前後に発表されるノーベル賞、特にノーベル医学生理学賞の大本命として、mRNAワクチンの開発原理の確立に焦点を当ててみましょう。
「偽ウリジン」修飾によるmRNAワクチンの勝利について考えてみます。