(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
米国バイデン政権のアジア政策の中枢に立つ高官が、同政権の対中政策はオバマ政権の融和路線とトランプ政権の強硬路線の両方を組み合わせた内容だと発言した。
融和的すぎると批判されたオバマ政権の対中姿勢をバイデン政権が取り入れたことを、公開の場で認めるのはきわめて珍しい。同時に、トランプ前政権の政策の“一部継承”を認めたこともバイデン政権としては稀だといえよう。
この発言は、バイデン政権の対中姿勢が、硬軟の入り混じった“まだら模様”であることを公式に認めたことにもなる。中国側にとっては、バイデン政権の政策がトランプ前政権よりもソフトであることが確認されたわけで、米国に対してこれまでより積極果敢な攻勢に出ることも予測される。