(写真:アップルHPより)

 米アップル製パソコン「Mac」向けの次世代プロセッサーの量産が月内に始まると、日経アジアが4月27日に報じた。ノートパソコン「MacBook」シリーズや、デスクトップパソコン「iMac」、タブレット端末「iPad Pro」の最新モデルに採用した「M1」の後継となるSoC(システム・オン・チップ)で、暫定的に「M2」と呼ばれている。

 半導体の受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が生産し、2021年7月にも出荷が始まる見通し。21年後半に発売予定の新型MacBookに搭載されると、関係者は話している。

 アップルは20年6月、Macの独自プロセッサー計画を明らかにした。第1弾製品群を発売した後、2年ほどかけてすべてのMacを自社製チップに切り替えるとしていた。

 同社は20年11月にM1チップを発表。8つのCPU(中央演算処理装置)コアと最大8つのGPU(画像処理半導体)コアを搭載しており、以前のMacに比べてそれぞれ最大3.5倍と最大6倍高速。機械学習機能は最大15倍高速。一方で、バッテリー駆動時間は2倍に延びると説明した。

 M1チップを初めて採用したMacは、薄型ノートの「MacBook Air」と高性能ノートの「MacBook Pro」(いずれも13インチディスプレー)、そして、デスクトップ型の「Mac mini」だった。

一体型「iMac」やタブレット「iPad Pro」にも

 同社は21年4月20日にオンラインイベントを開催し、M1チップを採用した新型デスクトップパソコン「iMac」(画面サイズ24インチ)と新型タブレット端末「iPad Pro」(画面サイズ11インチと12.9インチ)を発表した。

 iMacはデザインを刷新し、本体の厚さを11.5ミリメートルと薄くしたほか、緑、黄、オレンジ、ピンク、紫、青、シルバーの7色の本体カラーを用意した。

 iPad Proはこれまで、スマートフォン「iPhone」と同じ独自開発プロセッサー「Aシリーズ」を採用していたが、初めてタブレット端末にもM1を採用した。