米アップルは3月30日、年次イベント「世界開発者会議(WWDC)」を2021年6月7~11日(現地時間)に開催すると明らかにした。新型コロナウイルスの影響で昨年同様、すべてオンライン形式で開き、すべての開発者が無料で参加できるという。
ミニLEDディスプレー搭載「iPad」
イベントはアプリ開発者に向けるものだが、一般ユーザーも既存のハードウエア製品に備わる新機能の一部を知ることができる。毎年、6月に新OSのベータ版を開発者に公開し、秋に正式版をリリースしている。
20年のイベントでは、Macの独自プロセッサー計画を明らかにした。2年ほどかけてすべてのMacを自社製チップに切り替えるというもので、同年11月に「M1」と呼ぶMac向けSoC(システム・オン・チップ)第1弾を採用した3製品を発表した。
同社は毎年、イベントの初日にスマートフォン「iPhone」やタブレット端末「iPad」、パソコン「Mac」などの新しいOS(基本ソフト)を発表する。20年は、iPhone向け「iOS 14」やiPad向け「iPadOS 14」、腕時計端末「Apple Watch」向け「watchOS 7」、Mac向け「macOS Big Sur」などのOSを発表した。
また同社は時折、新たなハードウエア製品も発表する。例えば19年の開発者会議では、価格が約6000ドル(日本では60万円以上)のデスクトップ機最上位モデル「Mac Pro」の新製品を発表した。
米ブルームバーグや米CNBCによると、アップルはまもなくiPadの新モデルを発表するとの観測が出ている。同社は高価格帯の「iPad Pro」を刷新する予定で、カメラとプロセッサーの性能が向上するという。
デザインは現行の11インチ型と12.9インチ型に似ているとする。画面サイズが大きいモデルには「ミニLEDディスプレー」を採用する可能性があるとも報じている。ミニLEDディスプレーとは、100μm(マイクロメートル)~200μmの微細なLED素子を1つの画素として用いたものを指す。LEDをバックライトに用いる液晶ディスプレーに比べて、高輝度で低消費電力といった特徴がある。