努力次第で、お金がまわる仕組みとは?
また私が30歳で放送作家オフィスを起業した時のことです。ささやかなオープニングパーティにみのさんをお招きしたところ「いいお祝いを持って、かけつけるよ」とお返事をいただきました。長者番付1位のみのさんからのお祝いです。どんな大きな花束を頂けるのかドキドキ。
当日、お待ちしていると! みのさんは少し酔っぱらったご機嫌な様子で現れました。手ぶら! そしてほどなく、みのさんの後ろから綺麗なお着物をお召しになった奥様・靖子さんと、知らないおじさんがぞろぞろ入って来ました。これは一体……。みのさんはニヤっと笑って言いました。
「たむら、おめでとう。僕からのお祝い。プロデューサー連れてきたから、仕事もらって!」。有難いことにそこから仕事が広がり、弊社も今年20周年です。使えばなくなる「お金」ではなく、「努力次第で、お金がまわる仕組み」を作りなさいと、みのさんは教えてくれたのでしょう。
他にも、みのさんの「勝って兜の緒は“締めるな”」という教えや、「アンチもファンのうち」という考え方、お弁当は崎陽軒の一番安いシウマイ弁当を指定など、お金持ちがお金持ちになる思考がいろいろあるのですが、文字数がいっぱいになってしまいました。
今は時代が変わり、放送作家もテレビだけでなく、YouTubeクリエイターへのネタ出しなども手伝いますが、その時代、その時代で成功している人の思考回路には共通点が多いなと感じます。
そんな成功者を間近で見ているのに、自分はちっとも成功しない、それが放送作家あるあるです!
次回はいとう菜のはさんへ、バトンタッチ!
一般社団法人 日本放送作家協会
放送作家の地位向上を目指し、昭和34年(1959)に創立された文化団体。初代会長は久保田万太郎、初代理事長は内村直也。毎年NHKと共催で新人コンクール「創作テレビドラマ大賞」「創作ラジオドラマ大賞」で未来を担う若手を発掘。作家養成スクール「市川森一・藤本義一記念 東京作家大学」、宮崎県美郷町主催の「西の正倉院 みさと文学賞」、国際会議「アジアドラマカンファレンス」、脚本の保存「日本脚本アーカイズ」などさまざまな事業の運営を担う。