未知の未来に投資をし、将来の資金設計に備えるには「長期と分散」
上の表をご覧ください。こちらは投資情報サイト「myINDEX」が提供する「myINDEX資産配分ツール」を使って算出した、2000年12月末から2020年12月末までの、過去20年間の投資実績データです。
投資対象は株式と債券で、それぞれ日本・先進国・新興国に分けています。
投資配分の数字ですが、例えば、最上段の横列は日本株と日本債券に、それぞれ50%ずつの割合で投資している、という意味です。上から4行目は、日本株・先進国株・日本債券・先進国債券に、それぞれ25%ずつの投資配分で投資しています。
表の右の3行は、得ることができる「年平均リターン」と、覚悟が必要な「リスク」(値動きの大きさ)ですが、投資配分の比較をするのでしたら、「シャープレシオ」を用いた方が良いかもしれません。
シャープレシオは「リターン÷リスク」で大まかに計算することができる、いわば投資効率です。シャープレシオの高い方が、効率の良い投資配分と言えます。
先ほどご覧いただいた表は「過去20年間の投資実績」ですから、長期投資の実績と言って差し支えないでしょう。
ここで考えてみたいのは、分散投資です。
先ほどの表では、上段から中央部分にかけて、資産配分を複数の投資対象に分散したものになっています(表の下段は、いずれもその資産単独の配分ですので、分散にはなっていませんが、ご参考までに載せておきました)。
いかがでしょうか?
日本株の配分が高いほど、シャープレシオが低い、つまり投資効率が芳しくないといえそうです(上の表では太字で表示しています)。
逆に、日本株の投資配分を低くするか、あるいは日本株の投資配分をゼロにしたシャープレシオの方が高い、つまり投資効率が良い傾向なのが分かります。
その傾向を裏付けているのが、表の下段で示している、資産単独の配分です。
日本株100%の数値をご覧いただくと、表の中では最低のシャープレシオです。
ところで筆者は、過去の稿(第6回)にて、「国の経済成長に大きく貢献しているのは企業です。企業が挙げる利益こそがGDPであり、企業の成長こそがGDPの伸び」、また同じく「企業が成長すれば株価が上がる傾向にあります」という持論を紹介させていただきました。
日本株100%のシャープレシオを見るにつけ、停滞する日本経済の姿を重ねてしまうのは筆者だけでしょうか?