厳選400社のはずですが、その株価は……

 筆者がここまで力強く推してきたJPX日経400ですが、肝心の市場の評価はというと……。残念ながら、先述の「厳選」という言葉のイメージには、とても及ばないパフォーマンスです。

 グラフをご覧いただくと、一目でお気づきいただけると思います。
 JPX日経400は、TOPIXとほぼ同じ値動きをたどっています。日経平均と比べると、2018年以降は日経平均がJPX日経400を大きく上回っています。

JPX日経400と日経平均、TOPIXとの比較
JPX日経400と日経平均、TOPIXとの比較2014年1月6日を100として指数化。期間は2020年12月22日まで

 正月早々、肩透かしを食わせてしまいましたね。
 しかし、この節目のタイミングで、新たな気づきになることを願いつつ。

インデックスに投資をするのなら、日本よりもアメリカか?

 さて、「フェイクミートみたいなインデックス」というサブタイトルで、過去数回にわたってお付き合いいただきました。フェイクミートというのは植物性の材料で作った代替肉のことで、「草食系だけど肉食系」な株価指数をこのように表現してみました。

 連載第29回では、「高値更新のNYダウと、回復にとどまる日経平均」を紹介いたしました。そして、(密かに記念すべき)第30回では「NYダウを超えるインデックス」として、配当貴族について述べました。

 そして、我が国の「フェイクミートみたいなインデックス」として、第31回では、「ビッグネームにして、リーディングカンパニー30社を集約した」インデックスとしてTOPIX Core30、そして本稿ではJPX日経400を紹介させていただきました。

 ところが、TOPIX Core30の値動きは、ビッグネーム30社を集約したわりに、安定感に欠けています。

 そして、JPX日経400は結局、TOPIXと変わらぬ値動きでした。

 正月明け早々にここまでお読みいただいて、読者の皆さまの中でポールシフトが起きましたでしょうか? あるいは、「思い」が「確信」に変わりましたでしょうか?

 アメリカの株式に投資すると、為替変動という日本株にはないリスクを抱えることになります。それでも、インデックスに投資をするのなら、今の現状では、「日本よりもアメリカ」という結論を得ることになりそうです。

 大切なお金に、海を越えて旅をしてもらう時が来たようですね。