米パーラーロゴ(写真:ZUMA Press/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムの子会社にクラウドサービスのアカウントを不当に停止されたとして、新興SNSの米パーラーがアマゾンを提訴した問題で、アマゾン側が「再三にわたる注意に応じず、他に選択肢がなかった」と主張していることが分かった。米CNBCが1月13日に報じた。

「殺害」「放火」「襲撃」

 パーラー上の投稿には暴力行為を煽るものが多数あり、運営会社はそれらを放置していたという。

 投稿には、連邦議会議員や、アマゾンのジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)、米ツイッターのジャック・ドーシーCEO、議会警察などを殺害すると脅すものや、「アマゾンの配送トラックや米アップルの直営店を燃やせ」、「アマゾンのデータセンターを襲えと」などと呼びかけるものもあったとする。

 アマゾンは、「アカウントを停止することは市民を守ることであり、その重要度はパーラーの事業を守ることよりも高い」と述べている。

IT大手が関係断つ

 パーラーは2018年創業で、1200万人以上の会員がいるとされる。投稿を「検閲しない」と謳い利用者を伸ばしており、トランプ米大統領の支持者が多く利用している。

 1月6日のトランプ大統領支持者による米連邦議会乱入事件を受け、米フェイスブックは7日にトランプ氏のアカウントを無期限に凍結した。8日には米ツイッターが永久停止した。それ以降、トランプ氏支持者によるパーラーの利用が急増したという。

 そして、米グーグルは1月8日にパーラーをアプリ配信サービスから削除。米アップルも1月9日、同アプリの配信を停止した。暴力・違法行為といった脅威への対策が不十分だったというのが理由だ。これにより、アプリの新規ダウンロードは不可能になったが、サービスの運営は続いていた。