手術費用はしめて3100万円也
私事で恐縮だが、米大統領選挙日に頸椎狭窄症の手術を受けた。
これまで2年以上トランプ再選(あるいは敗退)の行方をフォローしてきただけに残念だったが、「このまま放っておくと車椅子だぞ」という医者の警告で手術に踏み切った。
執刀はこの分野では全米でも十指に入るロサンゼルスの大学病院の中国系の医師だった。経過順調で、目下、リハビリに励んでいる。
新型コロナウイルス禍最中の手術。多くの重症感染者が出ている中での手術に気が引けた。
6日後に退院。数日後に送られてきた手術入院費用は30万ドル。日本円に換算すると、ざっと3100万円。65歳から88歳までに必要とされている老後資金に迫る額だ。
コロナ禍でも大学病院が手術してくれる理由が仄見えてくる。手術収入だ。
この額のほとんどは保険会社が負担してくれる。だが保険に入っていなかったら即破産だ。
入院中、医師、看護師、ケアワーカー(介護士)、清掃担当者たちからそれとなく聞いた「医療現場」の声は、2020年の大統領選の「もう一つのリアリティ」を垣間見せてくれた。
主要メディアやエスタブリッシュメント(既得権層)、高学歴エリートが取り上げない「もう一つのリアリティ」だ。