新型コロナウイルスの発生から1年が経ち多くの人で賑わう中国・武漢の市場(2020年12月7日、写真:ロイター/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 新型コロナウイルスの発生からちょうど1年が過ぎたいま、「ウイルスの発生源は中国ではない」と訴える中国政府の大キャンペーンが再び活発になっている。

 米国ではそうした中国側のキャンペーンに対して改めて激しい反発が起きている。中国の官営メディアは諸外国の専門家の言葉をゆがめ、自国に都合よく利用する政治宣伝活動を強化しているが、米国で、そんな中国側の動向に対する超党派の反撃が強まってきた。

現地調査を求めるオーストラリアに強く反発

 昨年(2019年)12月に中国の湖北省武漢で発見された新型コロナウイルスの“真の発生源”をめぐっては、「中国 vs. 国際社会」とも呼べる対立が当初から起きていた。

 新型コロナウイルスが武漢市内で最初に確認されたことは、欧米諸国だけでなく世界保健機関(WHO)もほぼ公式に認定していた。