独ビオンテックと米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナワクチン(写真:Abaca/アフロ)

 12月4日の会見で、菅首相は日本でのワクチン接種開始を「来年前半」と説明した。

 折しも12月2日、英政府は独ビオンテックと米製薬大手ファイザーが共同開発した新型コロナワクチンを承認した。英アストラゼネカや米モデルナのグループも承認に向けた動きを活発化させている。

 各グループの開発体制を見ると三者三様だ。海外の臨床試験データベースから読み取れる進捗を踏まえると、来年前半のワクチン接種を実現するには、試験、審査、承認プロセスの前倒しなどの工夫が必要と見られるが、拙速な承認で後に禍根を残すのは避けるべきだ。国内外の開発状況を踏まえてスピード承認の可能性を考察する。

 一般論として、開発を進める製薬企業は承認時期の見通しを持っているものだ。各国の審査次第で当然かかる時間も変わり得るが、今回のワクチン開発は異常と言ってもいい状況だ。本来であれば、企業は政府の審査が通るか不安を抱くものだが、「来年前半」と承認のめどが示されており、むしろ内定が出されているような状況だ。こんなことはめったにない。

 そうした状況の中で、各社はそれぞれが考える承認時期を念頭に進めているとみられるが、対外的に伝えるものではなく、関係者は守秘義務もあり漏らすこともない。以下、公開情報の記述から各企業の開発状況を想像してみよう。