11月に入ってから行われた、一見すると無関係な2つの「投票」を結ぶ「点」と「線」から、水面下の大きな潮流をあぶり出してみましょう。
まず11月1日、日本は大阪市で実施された「大阪都構想」。有権者は約223万人。
結果は、賛成が約67万5000票、反対が69万3000票、「その差わずか1万8000票の僅差」といった報道のされ方でしたが、果たしてそうなのか?
合計すると136.8万票の投票総数に対して1万8000票は1.3%、確かに僅差とも見えます。
しかし投票率そのものが約6割、棄権者の数が約86万人あり、この人たちは少なくとも「大阪都」に賛成してはいなかった。
この人数は、大阪都構想に「賛成」「反対」いずれかの票を投じた数よりも多い、この事実に注目したいのです。
投票しなかった人の全有権者に占める賛成者の割合は30.2%、つまり、反対票と棄権を合わせれば7割方が「大阪都など特段望んでいない」という大差での否決であったとも考えることが不可能ではありません。
今このようなざる勘定をするのには理由があります。
すぐ追って、11月3日が投票日となっていた、米国大統領選挙と対照してみたいのです。