この20年間、数多くのベンチャー経営者にお会いしてきた。
長いことやっていると、創業間もない頃にお会いしたベンチャー経営者が、その後20年経ち立派な企業の経営者へと成長したところも多数存在する。
そうした中で感じることは、ベンチャーとして成功する、失敗するにかかわりなく、ベンチャーの経営者は、無茶苦茶ビジョナリーな方が多いということだ。
しかし、創業して上場までこぎつけるのは一部のベンチャーであり、さらに成長するのはごく僅かなことを考えると、ビジョンだと思っていても実は妄想であることも多い。
仮に市場が存在したとしても、予想していたより1桁、2桁市場規模が小さいことはざらにある。
市場があると思っても、実際には存在しなかったり、参入のタイミングが早すぎて市場が追いついていなかったりすることは多々ある。
ベンチャーのリーダーは、このような中で戦っていかねばならない。
ベンチャーのリーダーシップ
そもそもベンチャー経営者のリーダーシップの出し方のタイプは、3つくらいあると考えられる。
(1)圧倒的能力差によるリーダーシップ
(2)ヤンキーのリーダーシップ
(3)背中を見せることでのリーダーシップ
(1)圧倒的能力差によるリーダーシップは、技術者などがトップであることが多い。
社長の能力が突出しており、社員は尊敬の念をもって、ついていくパターンだ。能力差がありすぎるため、部下が反論するのは、なかなか難しい。