腸内細菌の総量は1.5kg

　腸内細菌という言葉は様々なメディアで良く目にします。では一口に腸内細菌と言っても、具体的にどれぐらいの種類の細菌がいるのでしょうか？

「大腸菌」「乳酸菌」「ビフィズス菌」などはみなさんも聞いたことがあると思います。もちろん、それらも大切な腸内細菌です。その他にも、「クレブシエラ」「エンテロバクター」「クロストリジウム」などを含めると、腸内細菌の数はなんと「1000種類」あり、合計「100兆個」あると言われています。

　ちなみに人の体の細胞数は「約30兆～60兆個」と試算されているので、実は「腸内細菌の数の方が多い」のです。

　また、腸内細菌が持つ遺伝子の種類も合計数十万となり、ヒトの遺伝子数（2万2000前後）を完全に凌駕しています。そして、成人1人に存在する腸内細菌はなんと「約1.5kg」もあります。目には見えないぐらい小さな細菌が1.5kgあるのですから、とにかく膨大な量なのでしょう。

　普段排泄する便も、実は半分以上が腸内細菌とその死骸からなると言われています。だんだんと腸内細菌の巨大なスケールがイメージできてきたでしょうか。

　これだけの数、情報を持った腸内細菌が私たちの体に影響を与えないはずがありません。腸内細菌の存在を私たちはともすれば忘れがちですが、実は非常に大きな影響力を持った、隠れた同居人なのです。

イラスト：近藤慎太郎
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