(藤原 修平:在韓ジャーナリスト)
国連総会での演説で、韓国の文在寅大統領は異様な存在感を示した。
9月23日(ニューヨークの現地時間では22日)にテレビ会議方式で行われた一般討論演説で、「終戦宣言こそが朝鮮半島における非核化と恒久的平和体制の道を開く扉になる」として朝鮮戦争の終戦に言及したのだ。
「包容力を強化した国際協力 皆のための自由」と題した16分ほどの演説の最後の山場に、文大統領は「終戦宣言」という言葉を3回盛り込んだ。
(参考)「文大統領『終戦宣言こそが朝鮮半島非核化への扉』 国連総会で演説」(9月23日、聯合ニュース)
演説が行われたのは韓国では深夜だったため、一般人がその内容を知ったのは、朝のニュースであった。
ニュースでは演説が部分的に引用され、話の順序も変えられて報じられるので、実際の演説の全体を視聴するのとは印象は異なる。だがそれでも「終戦宣言」のくだりは、アメリカを差し置いて先走っているという点からも、ショッキングな発言である。