「預金なら安心」って本当なの? 「元本保証」って、実際に何を保障してくれるの? 実は、現金にもリスクが潜んでいるのです。本連載ではそんな「現金のリスク」を切り口に、お金のほんとうの価値を守るための資産運用について考えていきます。今回は、子どもの教育資金をどのように準備すべきか、積立投資をいかに活用すれば良いかを考えます。
前回(連載第23回)では、将来のインフレを踏まえたときに「学資保険だけで、お子様の将来の教育資金は十分なのでしょうか?」という趣旨のことを述べました。
将来のインフレへの対応といっても、その選択肢はいろいろあろうかと思います。
筆者は連載第1回から一貫して述べているように、「(株式などへの)投資」が、将来へのインフレへの対応になろうかと思っています。
ですので、やはりお子様の将来の教育資金についても、将来のインフレへの対応は投資で準備するのが良いと思っております。
もちろん、学資保険の全てを否定するつもりはありませんし、投資にもメリットとデメリットがあります。そこで、本稿では学資保険と投資の特徴について比べてみたいと思います。
投資は積立投資を前提とします
学資保険の契約は、お子様がお生まれになる前後にご検討されることが多いのではないでしょうか? お子様が大学や専門学校などに進学する時期に、学資保険の満期金を受け取るようなプランになろうかと思われます。
したがって、学資保険は契約してから満期までの間、毎月もしくは毎年、保険料を払い込み続けることになると思います。
ところで、教育資金の準備を投資でもまかないたいと考えるのであれば、やはり積立投資という方法を検討することになるのではないでしょうか?
なぜ積立投資なのかと言えば、その「方法」と「期間」が教育資金の準備に向いているからです。毎月の定額での投資は学資保険の保険料の払い方に合わせられますし、お子様のご出産前後から大学・専門学校の進学時期までは18年ほどの長い時間がありますので、今あるお金を一括で投資信託などに投資するより、毎月少しずつ投資信託を買っていく積立投資の方が効果的だと思われます。