前回書いた記事で、韓国はIPO(株式の新規公開)に熱中する人たちが増えたと書いた(「韓国、キャピタルゲイン課税強化でIPOに投資家殺到」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61967)。
その頃に公募を行っていたカカオゲームズは9月10日上場し、初日に公募価格の1.6倍、翌11日にも上昇し、終値は8万1000ウォン(初値24000ウォン)と、2.38倍まで買われた。
韓国銀行(中央銀行)が発表した「8月中の金融市場動向」によると、家計に対する銀行の貸付が14兆ウォン増えた。
貸付金利が過去最低を記録している中で、韓国では「とりあえず銀行からは借金をしておこう」という雰囲気になっている。
高度成長期に育ち、高金利の銀行に貯蓄することで着実に資産を増やしてきた中高年層とは異なり、金利は安くなるのに不動産や株価は値上がりしている状況を見て育った20~30代は借金を恐れず、その借金で資産を増やすことを目標にしている。
そのことを如実に示す言葉がある。韓国の若者の間で流行っているヨンクルという俗語だ。
ヨンクルとは、何でもかんでも、それこそ霊魂までかき集めるという意味。もともとは貧乳女子たちが一生懸命胸寄せして豊胸にみせるところから来たとされる。
つまり、韓国の若者たちは、ありったけのお金をかき集めて不動産や株を買うことに夢中なのだ。
そして、ありったけのお金には借金も含まれる。