2019年4月21日、スリランカの教会やホテルで同時爆破テロが発生、200人以上が死亡した(写真:ロイター/アフロ)

(平井 和也:翻訳者、海外ニュースライター)

 現在、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るっているが、世界が直面している脅威は新型コロナウイルスだけではない。米国の著名シンクタンクのアナリストが、アメリカをはじめとして世界中にテロの脅威があふれていることを警告する論考を発表した。

 警告を発したのは、米ランド研究所理事長の上級顧問、ブライアン・マイケル・ジェンキンス氏である。以下では、7月20日に同研究所のサイトに掲載された同氏の論考の概要を紹介したい。

「桁外れ」のテロだった9.11

 冒頭でジェンキンス氏は、計画的な航空機のハイジャックや空中での航空機爆破、大規模な人質事件、9.11テロなど過去の代表的な事例を挙げて、コロナウイルスとの戦いに注力しながらも、打ち続くテロの脅威を忘れてはならないと警告を発している。

 そして、9.11テロがテロ史上でどれだけ桁外れに大規模なものだったかについて、次のように述べている。