「アクティブラーニング」のメリットとは?

 企業は教育や研修に「アクティブラーニング」を導入することで、どのようなメリットが得られるのだろうか。大きく分けて7つ紹介したい。

【1】問題解決力が向上する
 課題に対して自分で考え抜く必要があるため、自らの力で答えを導き出さなければならない。論理的に仮説を立て、検証を行うプロセスを積むことで、問題解決力を磨いていくことができる。

【2】主体性が向上する
 講師がサポートに徹する研修形式のため、受講者には主体性が自ずと求められる。例えば、実際の研修では、ある課題に対して、各自が協力して議論を進めていかなければならない。主体的に答えを導く経験を積むことで、主体性を向上させていくことができる。

【3】発想力や創造力が向上する
 アクティブラーニングでは、グループワークを通して正解のない課題に取り組まなければなりません。その際、受講者同士でディスカッションするうえで、自分にない観点や考え方に触れることができる。新しい発想をインプットすることで、発想力や創造力の向上につながりやすい。

【4】コミュニケーション能力が向上する
 グループワークでは、相手の話を傾聴する、意見を伝達する、意見を集約する、議論を推進するために質問をするなど、様々なコミュニケーションを取ることが受講者に求められる。チームワークを発揮する過程で、コミュニケーションスキルを磨くことができる。

【5】人材の早期戦力化につながる
 アクティブラーニングを新卒社員や中途入社者の育成計画に導入することで、座学の研修よりも学習効果を高めることができる。その結果、人材の戦力化を早期に実現できる。

【6】知識の定着率が向上する
 他の受講者と議論したり、自分の考えを述べたりなど、能動的なアクションは理解が深まりやすいとされる。アクティブラーニングはエピソードとして記憶に残りやすく、座学よりも知識の定着を実現できる。

【7】リーダーシップの養成につながる
 講師はあくまでサポート役のため、受講者が主体となって研修を進めていく。各自はグループワークの課題解決に向けて、「自分は何をするべきか」、「どのような責任を果たすべきか」などを考え、行動に移さなければなりません。研修を成功させるには、周囲を巻き込むことが前提となるため、自ずと一人ひとりがリーダーシップを発揮する。

「アクティブラーニング」は、教育だけでなくビジネスの現場でも注目されるようになってきた。日本では労働人口の減少に伴い、今後、一人あたりの生産性がますます従業員に求められていく。また、社会は「Withコロナ」や「VUCA」と呼ばれるように、正解のない時代に突入にしている。主体性や問題解決力、発想力のある人材育成が急務となっている今、企業の研修や教育にアクティブラーニングを導入してみてはいかがだろうか。

著者プロフィール

HRプロ編集部

採用、教育・研修、労務、人事戦略などにおける人事トレンドを発信中。押さえておきたい基本知識から、最新ニュース、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届けします。