南シナ海での海上自衛隊、オーストラリア海軍、米海軍の合同訓練(写真:オーストラリア海軍)

(北村 淳:軍事社会学者)

 本年(2020年)4月23日の本コラム(「経済より安全を、リムパック反対に転じたハワイ州」)で紹介したように、新型コロナウイルスのパンデミックによって、2年ごとにハワイを中心にアメリカ太平洋艦隊が主催している大規模多国籍海軍・環太平洋合同演習「リムパック(RIMPAC)」の開催が危ぶまれていた。

 しかし、アメリカ海軍力の偉大さを国際社会に宣伝する機会であるリムパックを是が非でも開催したい米海軍当局は、ハワイ州など地元の危惧に配慮して規模や内容を大幅に縮小し、なんとかリムパック2020を開催することにした。

極めて少ない参加国

 これまでのリムパックは6月下旬から8月上旬にかけて6週間近く実施されていたが、リムパック2020は開始時期が遅れ、8月17日から開催される。日程も31日までと2週間に短縮された。